初めてでもよくわかる会社設立の方法と流れ 【準備から設立後の手続きまで】
会社を設立したい!でも、初めてトライする事だから何から手をつけたらいいのか良くわからない。という方のために、申請に必要な事前準備から会社設立後の届け出までを、手続きの流れに沿ってまとめました。
会社設立の流れ
まず最初に、設立の流れをみてみましょう。ここでは、主に「株式会社」の設立の流れとなります。
- 事前準備
- 定款の作成/ 認証
- 資本金の振り込み/ 払込証明書作成
- 登記申請書類の作成/ 登記申請
- 会社設立
- 設立後各種手続き
上記1は、PCなどを使って自宅など好きな場所で行うことができますが、2~6までは、それぞれの手続きのために申請場所に足を運ばなけれならず、順番通りに行えば滞りなく書類が揃っていくこと、そして、期限内の届け出が必要な申請があることを覚えておいてください。
事前準備
ここでは、会社設立手続きをする前に準備しておくべき「決め事」についてお伝えします。
会社の種類を決める
事業形態には大きく「個人事業」「法人(会社)」の2つがあります。
さらに、「法人」には「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類があります。どの形態が一番ということはありません。あなたの事業内容・各種条件・各形態のメリット・デメリットなどをよく考慮して、自分に合った形態を選びましょう。
一般的には「有限責任」である株式会社が圧倒的に多く、次に、同じく「有限責任」であり最近新設された合同会社が多く選択されるようになって来ています。
✳︎以下では、主に「株式会社」の設立についてお伝えしていきます。
商号を決める
商号とは、会社の名称のことです。会社名は自由に決められますが、「同一住所に同一の商号がある場合は登記できない」という決まりがあるので、会社設立予定の住所に類似商号がないことを確認しておきましょう。
他にもいくつかルールがあるので、ルールに則って決める必要があります。 また、各種申請に代表者印の押印が必要なだけでなく、代表者印自体の届け出が必要となります。商号が決まり次第、早めに業者へ作製依頼しておきましょう。
資本金額を決める
法律上は株式会社設立のための資本金は1円から設定できますが、資本金は会社設立時の運転資金のため、「会社の体力」として見られる指標となります。すなわち「会社の信用」に関わってきます。3か月~半年間の運転資金を基準として100万円〜1,000万円が一般的です。
役員報酬を決める
役員報酬は事業開始から3ヶ月以内に決めなければいけないルールがあります。決め方には3つのポイントがあります。
- 確実に法人の経費で落とす
- 節税対策を意識する
- 会社への貢献度によって適正額を設定する
特に2の場合、事業活動で獲得する利益(所得)を事前に予測する必要があるため、会社設立前に綿密な事業計画を練ることが大切になります。。一度決めてしまうと基本的に年度途中の改変ができないので、会社設立前にしっかり計算しておきましょう。
定款の作成と承認
まずは、「会社法」の定めに沿って定款の作成をします。
定款とは
定款(ていかん)とは、会社の根幹となるの基本規約・基本規則のことです。書籍や、日本公証人連合会の「定款記載例」や、法務局の「商業・法人登記の申請様式」などを参考にして作りましょう。定款は会社設立時に、発起人全員の同意により作成され、公証人の認証を受けて効力が生じることとなります。
※合同会社は株式会社に比べて定款に記載すべき事項が少ない為、比較的簡単に作成することができます。又、株式会社の様に公証役場にて定款認証を行う必要がありません。
定款の「絶対的記載事項」
定款には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」があり、特に、「絶対的記載事項」という6項目が無いと定款自体が無効になってしまったり、「相対的記載事項」が無いと定めの効力が生じない事項とされていたりするので注意が必要です。
定款認証手続きを忘れずに
定款は第三者に証明してもらう必要があるため、作成後に会社の本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場に行って「定款認証」の手続きをします。手続き費用は4万円で、電子定款の場合は手続き費用が不要となります。定款認証の手続きは発起人以外の第三者に代理を委任することも認められています。
資本金の振り込みと払込証明書の作成
定款の認証が済み次第、資本金の振り込みをして、証明書の作成をします。
資本金の振り込み
あらかじめ設定しておいた資本金の払込をします。資本金は「振り込み」することが必要となりますので、まず自分名義の口座に資本金を振り込み、会社設立後に作ることができる法人口座が出来次第、個人口座から法人口座へ資本金を移すという流れになります。
資本金を振り込む日付に注意!
資本金の振り込み日の日付は、定款認証日より後になっていなければなりません。定款認証日より前の日付になってしまっている場合、法務局で登記が受け付けられない可能性がありますのでご注意ください。
払込証明書の作成
振り込み後に自宅のPCなどで「払込証明書」を作り、通帳の「表紙」「1ページ目(裏表紙)」「振り込みをしたページ」をそれぞれA4紙にコピーしたもの計4枚を順番に綴じて製本してから、綴り目に会社代表者印を押印して保管します。
※合同会社の場合は通帳の写しの代わりに、代表社員が作成した「出資金の領収書」でも可能です。
登記申請書類の作成と登記申請
いよいよ、登記申請に向けて各種書類を作成します。全ての株式会社の登記申請に必要な書類6種と、会社によって必要になってくるその他登記申請書類がありますので、自分の会社形態に合わせて申請に必要な書類を揃えていきましょう。
登記申請書類一覧
- 1.登記申請書
- 登記申請書は、会社名や本店所在地、登録免許税額や添付書類の一覧などを記載する書類で形式が決まっています。法務局のホームページの「商業・法人登記の申請書様式」から書式のダウンロードを して必要事項の記入に使用します。CD-Rなどによる電子申請も可能です。
- 登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
- 郵便局等金融機関や法務局内の印紙売り場で購入します。登録免許税の金額は「資本金額の0.7%」と定められていますが、最低額が設定されていて、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円となります。
- 2.定款
- 公証役場にて認証済のもの。
- 3.就任承諾書
- 設立時の取締役、代表取締役、監査役が就任を承諾した証明書を添付します。登記申請に必ずしも必要な書類ではないため、自分の会社の形態に合わせて判断しましょう。
- 4.払込証明書
- 社印捺印済払込証明書。
- 5.印鑑届出書
- 印鑑届出書とは、会社の実印となる代表者印を法務局に届け出るための書類です。登録後は印鑑証明書を発行してもらうことができます。
登記書類作成と登記申請で注意するポイント
登記申請の前に注意点として下記の3つの事を注意してください
- 登記申請は代表取締役が行うということ。(代理人の場合委任状が必要)
- 資本金振込後、2週間以内に登記申請をすること。
- 登録申請書提出日が会社設立日になるということ。(郵送の場合は申請書が登記所に到着し、受付手続きを行った日)
設立後の各種手続き
会社設立後にも、期限内に各種手続きを忘れずに行いましょう。会社設立のゴールはすぐそこです!
印鑑カードの交付
法務局で「印鑑カード交付申請書」に必要事項を記入し、窓口へ提出します。
「印鑑カード」が交付されると「印鑑証明書」が発行してもらえるようになります。印鑑証明書は会社設立後に使われる場面が何度かありますので、5、6枚まとめて入手しておくようにしましょう。
税務署への届出・申告
会社の所在地を管轄する税務署へ届け出を行います。必要な申請書類等税務署で確認し、必要事項を記入した申請書はコピーをとって税務署で日付印を押してもらい、自社で保管します。
都道府県税事務所・市町村役場への届出
「法人設立届出書」を、本店所在地の都道府県事務所へ提出します。提出期限が会社設立後1ヶ月以内(東京都23区は15日以内)と定められている点に注意が必要です。
社会保険手続き
「年金事務所で「社会保険」に加入します。代表取締役一人の会社でも加入が必要です。また、従業員がいる場合は労働基準監督署にて「労災保険」の加入手続きとハローワークにて「雇用保険」への加入手続きが必要です。
※各機関によって提出書類や提出期限がさまざまなので、各機関のホームページなども確認して書類の漏れがないように注意しましょう。
まとめ
初めての会社設立、ここまでで設立方法と全体の流れはしっかり掴むことができたのではないでしょうか。手順がイメージできたら、早速準備に取り掛かってみてください。
会社設立を成功させるためには、必要な届け出書類を漏れ・抜けなく用意して、定められた期限内に適切な方法で申請することが欠かせません。
会社設立はやらなければならないことが多く大変です。定款や役員報酬など設立時に決める事項は、その後の会社運営にも関わることですので、慎重に進めるようにしてください。
書類の作成や収集も含め、少しでも不安な点・疑問点があった場合は、一度無料相談のお問い合わせください。
会社設立でお困りなら、まずは無料の相談窓口へ!
土日・祝日も事前予約で対応します!