会社設立

会社設立に必須の定款って何?作成方法などを徹底解説!

会社設立の第1歩目とも言えるのが、定款の作成です。会社の憲法となる定款は、会社設立の書類として欠かせないだけでなく、設立後も大きな役割を発揮します。この記事では、定款の具体的な内容や作成方法、更にゼロからの定款作成ができない!という方に向けたアドバイスなどを解説していきます。

定款(ていかん)とは

まずは、そもそも定款とは何かということについて解説していきます。

定款は会社設立時に必須の規則

定款(ていかん)とは、会社の憲法、会社の規則です。会社設立の際に定めるもので、業種や事業内容、経営者の方針などによりある程度自由に定められる部分と、会社法により記載内容に基準が設けられている部分があります。
具体的には、その会社の商号(名称)や目的(事業内容)、本店所在地をはじめとして、株式や機関設計の内容、あるいは事業年度を何月から何月までにするかなどの事項をその中で規定します。
定款にはこれら以外にも様々なことを記載しなければならず、作成は決して簡単ではありません。
いくら本来の業務の時間を割き一生懸命作成したとしても、記載事項などを守らない定款は無効になってしまうので作成には細心の注意を払う必要があります。

会社設立時の定款の作成方法

定款がどのようなものかがわかったところで、ここからは定款の作成方法を見ていきましょう。定款を作成するのは誰か、会社法で定められている記載事項は何かを具体的にご紹介します。

定款は誰が作成する?

定款は会社の憲法だと言いましたが、それを作成するのは会社をつくることを決めた人、つまり発起人です。作成者は1名でも良いですし、複数いても問題はありません。特に複数名の場合は、会社法に違反しない範囲の中で、きちんと話し合って皆が納得のいく定款を作成する必要があります。
定款が完成したら、署名と押印をします。発起人が複数いる場合、全員が署名・押印しなければなりません。そして、定款の内容に関してはどのような立場であっても守る必要があります。

定款には大きく3つの「記載事項」がある

冒頭でも触れましたが、定款の記載事項には会社法で定められた決まりがあります。記載内容は

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項

の3種類の項目に分けられます。

絶対的記載事項

絶対的記載事項は「定款に必ず記載しなければならない」という項目です。絶対的記載事項は最も重要で、記載事項が1つでも漏れている、間違っていると無効となってしまうので注意しましょう。絶対的記載事項の6つの記載内容は以下の通りです。

  1. 商号(会社名)
  2. 事業目的(事業内容やその事業を行う目的)
  3. 本店所在地
  4. 資本金額(出資財産額)
  5. 発起人の住所・氏名(もしくは名称)
  6. 発行可能株式総数

相対的記載事項

絶対的記載事項とは異なり、記載義務がない事項を相対的記載事項と呼びます。相対的記載事項については必ず記載しなければならないという決まりはないものの、その効力は定款に記載がある場合のみ発揮されます。
つまり、記載がなければ守る必要はない、ということになるのでどのような記載事項を定款に盛り込むかをしっかりと考えなければなりません。
相対的記載事項の具体的な内容の一部をご紹介します。

  • 取締役会の設置などについての規定
  • 役員の任期に関する規定
  • 現物出資があるときはその内容
  • 株式譲渡制限についての規定
  • 公告方法
  • 株主名簿管理人について
  • 株式発行について
  • 各役員の責任免除について など

任意的記載事項

3つ目の記載項目は任意的記載事項です。これは、前述の2つの記載事項に当てはまらず、違法性のない事項をいいます。相対的記載事項と同じ様ですが「定款に記載しなくても、他の文書などで明確にすれば効力が認められる」という点が大きく違います。
よって無理に定款に記載する必要・義務はありませんが、あえて定款に記載することで「しっかりと定められていることだ」というイメージが強くなりますので、発起人が定めた任意的記載事項については、できるだけ定款に記載すると良いのではないでしょうか。
任意的記載事項の記載例には以下のようなものがあります。

  • 株主総会を招集する時期について
  • 取締役員の人数について
  • 事業年度についての決まり
  • 株券不発行についての決まり など

定款が完成したら…

株式会社や一般財団法人、一般社団法人の場合、作成した定款の認証が必要になります。
3つの記載事項などルールに則り定款を作成したら、公証役場で定款を確認してもらわなければいけません。
この定款を確認してもらう手続きのことを定款認証と言います。費用も伴うので、併せて見ていきましょう。

公証役場は、中立な立場で公的な証書の作成や認証を行う国家機関です。設立しようとする株式会社や法人の本店所在地を管轄する法務局に所属する公証人役場に出向き認証してもらうことになります。
定款の認証とは、定款の正当性を第三者(公証人)に証明してもらうことです。定款は会社の最も重要な憲法ですから、紛失・不正な改ざんなどはあってはなりません。
第三者が「会社設立時に、発起人全員が同意して作成した定款です」と公的な証明を行うことで、こうしたリスクを軽減することができます。

この定款認証には以下のような費用が掛かります。

  • 定款認証手数料:50,000円
  • 印紙代:40,000円
  • 謄本交付料:約2,000円(謄本1ページにつき250円)

合計でおよそ92,000円です

謄本交付料は定款の枚数によって変わりますが、およそ2,000円(8枚)です。
しかし、これはあくまでも「紙ベースで定款を作成した場合」で、電子定款を選択した場合は、費用が異なってきます。

電子定款を作成する場合

株式会社が電子定款を作成する場合、印紙代の40,000円が不要となります。
また、謄本交付料も、

  • 電子定款保存手数料:300円
  • 謄本代:情報提供700円+書面情報提供1枚につき20円

の、およそ1,020円ほどに。
40,000円以上の経費削減となり、浮いた経費で行政書士など専門家に定款作成を委託することも可能となります。

合同会社などが定款を作成する場合

株式会社以外の合同会社などは、定款認証が不要です。よって謄本代も不要なので、書面で定款を作成した場合は印紙代の40,000円のみが費用としてかかります。
電子定款の場合、この印紙代すら不要となるので、定款にかかる費用は実質0円。合同会社は株式会社と比べて会社設立費用を大幅に抑えることができるので、近年多くの経営者に選ばれるようになってきています。

定款を変更したいと思ったら

3つの記載事項の中で、絶対的記載事項以外の2つの記載事項については会社法に則った範囲で記載内容を自由に定めることができます。会社設立時に定めるので、経営がスタートしてしばらくすると「これも相対的記載事項に入れておけばよかった」「任意的記載事項に入れた〇〇の内容が変更になった」「事業目的や会社名、本店所在地が変わった」など、設立当初からの変更点が生じる場合もあります。
定款を変更したいと思ったら、定款変更の手続きを行いましょう。

定款の変更には下記の手続きが必要です

①株主総会での特別決議を行う
「過半数の定足数(定款で3分の1とすることも可)と、出席株主の3分の2以上の賛成」という条件を満たさなくてはいけない
②議事録を作成する
株主総会を行った日時の他、議決した内容及び、特別決議に必要な定足数と賛成数を得  たことを記載する必要があります。
③法務局で登記する
変更内容に登記する必要があるものは、法務局に登記を行います。変更手続きの際にはおおむね3万円、内容によっては6万円の登記費用が発生することを覚えておきましょう。
④議事録の保管
定款変更の決議をした際に作成した議事録は会社で保管しておくようにしましょう。

定款の変更にはそれなりの手間と費用が掛かります。やむを得ない定款の変更はゼロとは限りませんが、できるだけ変更がないよう、会社設立時にしっかりと話し合う、考えるなどして定款作成をすることが重要です。

会社設立時の定款作成が難しい!そんな時は……

定款の内容などについて解説してきました。流れだけを見ると一見簡単そうですが、専門用語が多かったり会社法に則っている必要があったりと、実際に作成するのは難しいものです。
最後に、定款作成に悩んだ場合におすすめしたい選択肢をご紹介します。

定款の作成例を参考にする

インターネット上の様々なサイトで、定款の作成例が紹介されています。設立を検討している会社の業種、事業目的などに合っている・近い内容の定款を参考にすれば、自力で定款を作成するハードルは下がります。
(※参考「若原税理士事務所」https://wakaharakaikei.com/setsuritu/teikan/)

定款自動作成システムを利用する

ネット上には必要事項を記入すると、定款を自動で作成してくれるシステムも存在します。ただし、無料の自動作成システムは一般的な定款の内容に、入力情報を当て込むということも多いです。事業内容や専門性を重視したその会社独自の定款の作成は、無料ツールでは難しいこともありますので

  • あくまでツールを利用して作成した定款を参考にオリジナルの定款を作成する
  • 会社の事業内容などを反映してくれる有料の自動作成システムを利用する

なども検討してみてください。
(※参考「ベンチャーサポート税理士法人」https://www.venture-support.biz/teikan/)

専門家に依頼する

作成例や自動作成システムは、前述の通り独自の事業目的などに特化した内容の定款作成はほぼ不可能。
そこで活躍するのが司法書士などの専門家です。専門家に依頼することで、会社の事業やスタイル、方針に沿ったベストな定款を効率よく作成することができます。また、定款の認証や設立登記などの会社設立に関する様々な手続きの代行、必要書類の準備などのサポート等、スムーズな会社設立を手助けしてくれます。
会社設立の際の予算、お金の使い方は非常に大切ですが、経費削減のために何もかも自分で進めようとせず、ぜひ司法書士への依頼も検討してみてください。
専門家に任せることで、

  • 本来の業務に集中できる
  • 内容のミスによる定款の無効が避けられる
  • 公証役場へ足を運ぶ必要がない

などのメリットが得られます。定款の作成・認証にかかる費用は事務所によって異なりますが、電子定款を選択し浮いた印紙代で専門家に委託する、というのも1つの方法として視野に入れておくと良いかもしれません。

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