株主の権利と責任とは?
この回では株主が持つ権利と負う責任についてご説明したいと思います。
なんとなくわかっているような、そうでないようなといった方もいらっしゃるかもしれません。
株主の権利
株主が持つ権利は大きく次の2つに分けられます。
1.自益権
自益権とは、株主が会社から経済的な利益を受ける権利をいいます。
例えば、会社の営利活動で得た利益から配当を受けられる権利(剰余金配当請求権)や
会社が解散することになり、精算後に残った財産から分け前をもらえる権利
(残余財産分配請求権)などがあります。
ちなみに、剰余金配当請求権か残余財産分配請求権のどちらか一方をなくす定款の定めは有効ですが、
両方を完全になくす定めは無効になります。
これは営利法人の目的が「営利活動であげた利益を構成員(株主)に分配すること」という性質上
当然の結論なのです。
2.共益権
共益権とは、会社の経営に参加する権利をいいます。
例えば、株主総会に出席し決議に参加する権利(議決権)や職務を怠り会社に損害を与えた取締役に
損害賠償請求をする権利(株主代表訴訟)などがあります。
株主の責任
株主は出資した金額の範囲でのみ会社の債権者に対して責任を負います。
これを有限責任といい、同じく営利法人の合名会社が無限責任であるのと大きく異なります。
株主は株式を取得(会社設立など)する際にその対価を会社に支払っていますから、
支払ったお金が返ってこないことはあっても、会社の債権者からそれ以上の請求が来ることはありません。
これによって、株主は安心して会社に投資することができるのです。
ただし、創立して間もない会社は規模が小さく社会的な信用がまだあまりないため、
金融機関から資金調達をするのに株主(実質的には経営者)が個人保証をすることが多いかと思います。
その場合は保証人として返済義務が発生するので注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。
株式会社を設立して株主となる以上、株主が持つ『権利』と負う『責任』について
頭の片隅に置いておくのもいいかもしれません。
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